+ 君がいる風景 平谷美樹 ◎
Saturday,
22, 2006 at 15:17
![]() | 君がいる風景平谷 美樹 朝日ソノラマ 2002-07by G-Tools |
女性だと思っていました、じつは。
「エリ・エリ」で小松左京賞を受賞した作家さんです。だけあって、上手いです。読ませます。納得させます。はい。
タイムスリップ物はSFと成り得るのか?と、行きつけのサイトの管理人さんがBBSに書き込んでました。
わたしは成り得ると思うんですが。
作者が大昔のNHKの「少年ドラマシリーズ」のノリで書いたというだけあって、ジョブナイルゥゥゥってかんじで、なかなか読みやすくてよいです。
ただ気になるのが、タイムスリップという現象をパラレルワールドとして認識しているあたり、どうかと思う。
空想科学的に違和感があるという事でなく、この小説での設定では、どうかと。
だって、美鈴が死んだ未来と死んでない未来があるとする。主人公が死んだ世界から死んでない世界へトリップしたとすると、死んだ世界というものも存在するわけであって。いくら彼女を救えたとしても、一方では死んでいるのであって。問題の解決にはならないと思う。それはただの逃避ではないかと思う。
「別の世界」という概念を入れなければ、一本の時間軸の中で解決できれば。わたしはそっちのほうが、数段よいと思う。多少のパラドックスが残っても。
バックトゥーザヒューチャーの方がいいと思うのだけど。
感情的にそう思うです、はい。
それは置いといて、中学生の無知さと純真さと情熱とが上手く描かれていて良かった。あの頃のプライドの高さというか小心さというか。
そんなのを思い出しながら読みました。あのころに戻りたいとは思わないんだけど。

